用途に応じた豊富なラインアップを備えるIBMのDataPowerファミリー
セッション後半では、日本IBMのWebSphereテクニカル・セールス部門でITスペシャリストを務める浅田かおり氏が、同社が提供するSOAアプライアンス製品である「DataPower」の特徴について説明した。
同製品は、IBMが2005年に買収した米DataPower社の技術を継承したもので、WebSphereブランドとして初めて提供したハードウェア製品である。製品ラインアップとしては、XML処理の高速化に焦点を当てた「XA35」、セキュリティ機能を付加した「XS40」、さらにアプリケーション連携機能まで含めた「XI50」の3製品が主力となっているが、2009年には企業間のデータ連携に特化した「XB60」、証券取引のような大量トランザクション環境においてメッセージングとコンテンツ・ベース・ルーティングの遅延を防ぐ「XM70」を新たに投入。ネットワーク・インフラの統合も視野に入れ始めている。
「WebSphere ESB」や「WebSphere Message Broker」といった同社のSOAミドルウェア製品との親和性が高いのはもちろんだが、たとえ他社のESB製品を導入済みの企業であっても、同アプライアンスを間にはさむことにより、SOA環境同士の相互運用性を確保することもできる。
浅田氏は、「DataPowerアプライアンスによって、バックエンドのアプリケーションに手を加えることなく、コストを抑えたかたちでシステムのSOA対応を図ることができる。また、ハードウェアを専用設計とすることによって、物理的なセキュリティも高いレベルで確保されている。同製品を導入することによって、ユーザー企業は、SOAに対する不安を感じることなく、サービスの開発に集中できるようになる」と、製品の利点を強調した。