APIが企業のコアシステムと接続する今、IBMは強みを発揮する
ところでIBMならではの強さはどのようなところにあるのだろうか。日本IBM クラウド・ソフトウェア事業部 石井陽介氏に話を聞くと、実績の長さと買収で得た新しさを挙げた。石井氏は次のように説明する。
「IBMはAPIに関してWebサービス黎明期から取り組んでおり、HTTP連携の要素技術から可用性・セキュリティに至るまで、幅広い要件や実装を熟知しています。これらのノウハウが蓄積された専用アプライアンス(IBM DataPower Gateway)は20年以上に渡って世界中で多くのお客様のWebサービスの安定稼働に貢献してきた実績があり、『API Gateway』でもこの技術が大いに活用されています」
ほかにもIBMの企業システムに関する長い実績は、APIが企業のコアシステムとつながるようになった今、強みを発揮できるという。「IBMには長年に渡って、特に日本の企業の基幹ITシステムを支えてきた中で蓄積された、豊富なテクノロジーや知見があります。これらはスタートアップのツールベンダーには無いものです。Connectシリーズでは基幹システムで使われるz/OS(汎用機)やWebSphere Application Server、DB2、BPM製品など幅広くサポートしており、既存システム上のサービスを簡単に API化できることも強みとなるでしょう」と石井氏。
また、新技術への適合性も強みだという。IBM API Connectには昨年買収で得たStrongLoopの技術も盛り込まれており、Node.jsベースのAPIを容易に作成できる。こちらは新しいトレンドを捉えた技術である。石井氏は「IBMのいいところは、技術にオープンで、妙なこだわりがないところです。良いものは積極的に採り入れていきます」と笑う。つまりいい意味で無節操であるということだ。技術を見極める先見性もある。
APIやConnectシリーズであらゆるシステムをつなげていくことは、IBMが最重要キーワードに掲げている「コグニティブ・コンピューティング」にもつながる。単語の意味は「認知的」だが、ここには多様なデータから何らかの答えを導き出す高度なコンピューティングの世界が構想されている。データを収集し分析するためには、技術的にはシステムが接続可能でなくてはならない。それがIBMのConnectシリーズであり、そのうちの一つがIBM API Connectということだ。こうしたコグニティブビジネスやAPIエコノミーが拡大していくなか、IBM API Connectがもたらす価値は高まるばかりだ。
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