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全ての会社がテックカンパニーになる時代~福田康隆と探るDX最前線

DX時代に「企業」と「人と組織」はどう変わるべきか?『THE MODEL』著者・福田康隆氏に訊く

 新型コロナウイルス(COVID-19)により、社会、そして企業は大きく変わることを求められている。その上で企業はどのように変わるべきか? そしてITをどう使いこなしていくべきか? 小社刊『THE MODEL』の著者で、ジャパン・クラウド・コンピューティング株式会社、そしてジャパン・クラウド・コンサルティングの福田康隆社長に聞く。聞き手は小社の押久保剛統括編集長 兼 EnterpriseZine編集長。対談はオンラインで実施した。

インタビューイ

福田康隆(ふくだ・やすたか)1972年生まれ。早稲田大学卒業後、日本オラクルに入社。2001年に米オラクル本社に出向。2004年、米セールスフォース・ドットコムに転職。翌年、同社日本法人に移り、以後9年間にわたり、日本市場における成長を牽引する。専務執行役員兼シニアバイスプレジデントを務めた後、2014年、マルケト入社と同時に代表取締役社長に、2017年10月同社代表取締役社長 兼 アジア太平洋日本地域担当プレジデントに就任。マルケトがアドビ システムズに買収されたことにより、2019年3月、アドビ システムズ専務執行役員 マルケト事業統括に就任。2020年1月より、ジャパン・クラウドのパートナーおよびJCCコンサルティングの代表取締役社長に就任。ハーバード・ビジネススクール General Management Program修了。著書に『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』(翔泳社、2019年)。

福田康隆(ふくだ・やすたか)
1972年生まれ。早稲田大学卒業後、日本オラクルに入社。2001年に米オラクル本社に出向。2004年、米セールスフォース・ドットコムに転職。翌年、同社日本法人に移り、以後9年間にわたり、日本市場における成長を牽引する。専務執行役員兼シニアバイスプレジデントを務めた後、2014年、マルケト入社と同時に代表取締役社長に、2017年10月同社代表取締役社長 兼 アジア太平洋日本地域担当プレジデントに就任。マルケトがアドビ システムズに買収されたことにより、2019年3月、アドビ システムズ専務執行役員 マルケト事業統括に就任。2020年1月より、ジャパン・クラウドのパートナーおよびジャパン・クラウド・コンサルティング株式会社の代表取締役社長に就任。ハーバード・ビジネススクール General Management Program修了。著書に『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』(翔泳社、2019年)。

エンタープライズITの「これまで」と「これから」

押久保:お時間いただきありがとうございます。今、世界が大変な状況下、日本企業も大きく変わる時期なのかと思います。中でも喫緊の課題は、DXを含む企業の変革。福田さんはエンタープライズ、そしてマーケティングの世界で経営者としてのご経験もあり、ぜひこのテーマについてお話しできたらと思いました。

福田氏:ありがとうございます。未来を見る前に、ちょっとこれまでを振り返ってみたいと思います。私が社会人になったのが1996年で、日本オラクルに入社したころというのは面白い時代でした……なんて話すと、おじさんになってしまったなと感じてしまいますが、1995年にWindows 95が登場して一般の人にPCが拡大し、エンタープライズITでは、オラクルが当時オープンシステム(クライアントサーバー)を標榜していたころです。

対談はオンラインで行われた
取材はオンラインを通して行われた

 この時期、企業も大手ベンダーのメインフレームを導入する流れから、OSやサーバーなどを主体的に選ぶ時代になろうとしていました。つまり、選択の主導権がユーザー=企業にシフトするタイミングだったのです。その数年後、セールスフォース・ドットコムが登場し、私もそこへ加わりますが、当初セールスフォースは「ソフトウェアのDemocratization(民主化)」という言葉を使っていました。

押久保:解放されてきた、というわけですね。

福田氏:エンタープライズの変化は、1.汎用化と2.コンシューマーテクノロジーの転用の2つによって起きてきたと思います。1.はメインフレームを例にすると、高額でかつ使える技術者も必要だったわけですが、そこから個人でも使えるPCが生まれ、さらに携帯電話からスマートフォンが生まれ、といった具合に汎用化されることで使い方・使える人の数が拡大していきます。ソフトウェアも同様で、専門の技術者ではなくSaaSによってビジネスパーソンが普通に利用できるようになった結果が、今の成長要因です。

 2.については、まず新しい技術が登場するとそれを個人が活用し、ある程度、利用者数が増えたところでエンタープライズに転用されていく。スマートフォンもそうですが、SNSやチャットもコンシューマーが利用した後にビジネスSNSやチャットツールとしてエンタープライズへ応用されていきました。

次のページ
エンタープライズITにおける2つの変化要因

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全ての会社がテックカンパニーになる時代~福田康隆と探るDX最前線連載記事一覧

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長1978年生まれ。立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

中村 祐介(ナカムラ ユウスケ)

株式会社エヌプラス代表取締役デジタル領域のビジネス開発とコミュニケーションプランニング、コンサルテーション、メディア開発が専門。クライアントはグローバル企業から自治体まで多岐にわたる。IoTも含むデジタルトランスフォーメーション(DX)分野、スマートシティ関連に詳しい。企業の人事研修などの開発・実施...

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